2012年04月20日
舞台裏
差し詰め建築業の舞台裏と言うのは、壁面の内側、天井裏と言ったところでしょう。
ここは、よほどのことがない限り、施主様は二度と見ることはない場所です。つまり、封印と言うことです。
次に陽の目を見るのは、大改修の時か、何らかの診断、調査のときぐらいです。
なんらかの調査は事故が起こったときなどにも行われ、姉歯事件の耐震偽装が発覚したのも記憶に新しいことでしょう。
つまり、そういう診断や調査でも行わないと、こういうものは発覚ししづらいんです。
言い方は悪いのですが、手抜きの隠蔽です。手抜きは危険と裏腹にやればやるほど施行側の利益が増えると言う恐ろしい負のスパイラルを生み出します。
昨日、3件の耐震診断を行いました。
みな新耐震基準に適合したで昭和56年以降の建物で、一番古いものでも築20年でした。地場の工務店やハウスビルダーの建てたたてものでした。ただ、そのうち2軒はすでに倒産し、現在は存在しませんが・・・。
事前に建築時の図面を入手し、そこに記された筋交いとその留め方を現実と突合せ、基礎の配金状況や土台や大引の腐食、蟻害なども床下にもぐり、さらには天井内を確認します。
現状の建築基準法で定められた耐震強度には届かないかもしれませんが、図面どおりなら、さほど心配を要するものでまりませんでした。診断するまでは・・・・。
実際に細部を確認すると、図面上ではダブルで設置してあるはずのものが、実際はシングルだったり、金物でがっちり固定されているはずのものが、釘1本で留められていたり、途中で切断されていたりと耐震強度を下げるような箇所が散見されました。
もちろんそういうことは、心配するといけないので、診断中は依頼者にはお伝えしませんし、表情も変えません。
最終的な診断報告書として、強度不足として数値でお伝えすることになります。
ただ、診断は診断として、施行した業者もこんな形で、第三者に見られるとは思っていなかったかもしれませんが、二度と見られないこういう部分だからこそ、ちゃんと施行するのが信頼の証だと思うのです。
大きな鉄筋コンクリートのビルと違い、木造の在来工法なら、筋交いを1本、2本抜いたって多くなる利益は知れていますし、収まりが面倒とは言え、金物をつけるのだって、ほとんど手間はかかりません。
「この程度なら・・・」と現場の大工が思うか、それともそうならないように徹底して教育するかの違いだと思うのです。
20年後あるいは30年後に、検査員から「いやはや、外見よりも壁内の造作が大したものですね。いいビルダーに建ててもらいましたね~」と施主様が言われるような「当たり前の建物」を建て続けたいと決意を新たにした一日でした。
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Posted by バリューの親方 at 10:50