880
パパマルと読みます。新潟のハウスメーカーの商品名です。
30坪の建物を
880万円(税込みだと942万円)で建築すると言います。
私どもよりも
45万円安く建てられることになります。いやはや敵ながらあっぱれです。
このハウスメーカーは、これまでは新潟から庄内地方へ営業をかけていましたが、いよいよ内陸にも攻勢をかけ、寒河江に続いて、
山形にもモデルハウスがオープンしたそうで、山形市内だけにチープな二色刷りチラシを折り込みました。
デフレの波は、人生で最高値の買い物、マイホームへも押し寄せてきています。
ただ、住宅ももちろんそうですが、
モノの価値は品質/価格です。デフレによって価格が下落すると品質が着いてこれない
「安かろう悪かろう」の商品が蔓延します。
衝動買いができる程度の「お試しモノ」なら
「ありゃ~、やっぱり安いもんはダメだな~」で済みますが、車や住宅はそうはいきません。
こと車や住宅について言えば、単に安物を買うと言うことは、
自分の命を安く値踏みすると言うことにほかなりません。だって、動産、不動産の違いはあっても、
自分の命を預ける大切な器なんですよ。
住宅は数多くの部材や住宅設備が組み合わされてできています。この部材や設備ですが、ハウスメーカーやビルダーが
自ら製造できるものは、全くありません。
もっとも、山林を有し、製材所を自ら有する会社が建築を請け負うと言うのであれば、木材だけは、自ら生産製造ということにはなるでしょうが・・・。
99.9%の建築業者は、部材や住宅設備を他社から仕入れたり、下請けに出しています。よって、必ず
原価があり、これを限りなくゼロにすることは、ボランティアでもない限り不可能であって、
切り詰めても切り詰めても限界があるということです。
それでも限界突破レベルに安くできると言うのは、企業努力の域を超えています。それでも・・・・ということになると、建築について素人であるお客様が気づかぬようなところで
品質を落とすか、手を抜くか、レベルを落すしか方法がありません。
決して880がそうだと言う訳ではありませんから誤解なきように・・・。
設備は、完成してからでも外から見えます。
でも、
壁の中や床の下、天井の裏側までは見えません。
命を預けるシェルターが、どのような
構造と工法で作られているかを、ちゃんと
自らも確認することが大切だと思うんです。
施工を信頼していただくのは大変ありがたいことですが、このごろの施主様は、強制的に地鎮祭でもしない限り、
完成引渡しまで一度も現場においでにならない方がほとんどなんですから。