シングルハンド

バリューの親方

2010年10月10日 09:30

 ヨットで一人乗りのことをこう呼びます。二人乗りはダブルハンド(正しくはハンズで複数形なのでしょうけど・・・)。全員参加をオールハンズ・オン・デッキなどとも言います。

小型のヨットならシングルハンドでもチョチョイのチョイとハンドリングできますが、これが大型の外洋クルーザーだと話が違います。

でも、小型のヨットのように沈(転覆)しない分だけ楽といえば楽です。
それでも、このシングルハンドで無寄港世界一周なんてやっちゃうつわものセーラーがごろごろいるんですから、大したものです。

その昔、5.7mの小さなヨットで、太平洋を密航同然で横断した若いヨットマンもいました。堀江謙一氏です。「太平洋ひとりぼっち」で有名ですね。彼のようなシングルハンド専門のセーラーは「ソロセーラー」などとも呼ばれます。

 外洋クルーザーのシングルハンドは、通常は手分けして行う船上作業を何から何まで自分一人でやらねばなりません。当然、手放しにするわけに行きませんからオートパイロットのお世話になることになります。

オートパイロットは、電源させ確保してやれば、文句一つ言わずに24時間働いてくれます。その間に、デッキや艇内でせっせと作業を済ませてしまうわけです。
ただ、見張りまではしてくれませんから、ひと仕事するたびに、きょろきょろしなければならないのは、ご愛嬌です。

 陸にいると、何から何まで一人完結させるということが少ないように思います。
会社でも、助けられて仕事ができていますし、日常生活も生かされて生きています。

 シングルハンドは確かに「海の男のロマン」ですが、反面、大自然を教場として自分一人で何かをすることの限界をも分からせてくれます。
経営者は口を揃えたように「経営者は孤独だ」と言います。でも、生かされて、そして助けられて仕事ができていることだけは確かです。

 先日、たまに休みが取れたので、家でたまった仕事をこなそうとしていたのですが、あまりにいい天気だったので、家内に内緒で酒田へ車を走らせました。
準備も早々に、シングルハンドで酒田港の灯台が水平線に霞むぐらいの所まで行って来ました。

きらきら輝く夕日に「海にお船を浮かばせて~、行ってみたいなよその海~」と加山雄三のBGMを聴きながら一人口ずさむのでした・・・。

またガンガン仕事こなして、来週も行こう~っと。


歌でも歌ってみたくなるでしょ。


いい風が吹いてくれました。最高のセーリング日和でした。


セルフポートレートは難しいですね。そうしてる間も後ろのコックピットではオートパイロットが働いてくれてます。