武道にダンス?
どこかの
カルチャーセンターのお話かと思ってました。
4月から全国の中学では、
男女とも武道やダンスが体育の必修になるのだそうです。
なんで?誤解を恐れず簡単に言えば、
武道は礼儀を重んじ、日本の伝統文化を体得継承するため。ダンスは表現力とコミュニケーション体得のためだそうです。
ダンスは別にしても、
女子が武道まで???と思ってしまうのは私だけでしょうか。
今はどうか分かりませんが、私たちの時分は
高校で、男子に限って剣道か武道は必修でした。
これは今回の中学導入と同様の目的と理由からです。
でも、高校には柔道と剣道の
専任体育教師が常駐していました。実はこの先生方、専任とは言うものの、他の科目も兼務していたのですが・・・。それはさておき、それでも
武道教育の専門知識を有していたことには違いがありません。
それでも、
怪我が続出しました。
武道教育が素人同然の中学教師に、本当に
任せてしまって大丈夫なのか心配が残るところです。
私は幸い、中学の
部活は剣道で、週一回の
自由選択科目であったクラブ活動は柔道でした。こちらも
捻挫などの怪我が続出しました。
私などは凝り性なものですから、毎回毎回
大外刈りと
体落しだけを専門に練習し、最後には初段まで取れてしまいました。毎日猛稽古していた剣道もあれだけやって初段というのも不思議です。
中学も
柔道、剣道、相撲からの選択だそうですが、確かに柔道はたまたまオリンピック種目のお家芸などと言われています、しかし
柔道が伝統の文化なのかは疑問です。
柔道の体系ができたのは明治以降のお話、剣道や相撲に比べれば、随分と
歴史に差がありますし、その歴史的背景を例えるなら、幼稚園と大学院ぐらいの開きがあります。
武道好きの私は、何も武道教育を否定するつもりはありませんが、はたして
導入の目的を考えると、武道が適切なのかどうかは疑問です。
ましてや今は
「道」がついていますが元々は
「術」でした。
何の術かと言うと、
戦の折に相手の命を奪うためのです。柔術も相撲も
「体術」として、全力でぶつかり、投げ、組み伏せて短刀で止めを刺す、関節を折る、締め落とすという
必殺ワザです。
今は
「参った!!」と意思表示すればすぐにやめ、1本勝ちするルールにはなってはいますが・・・。
それを考えると、何も体育と言う範疇ではなく、文化的な
華道や
茶道といった伝統文化でも構わないと思いますし、パフォーマンス的なダンスではなく、
日本舞踊、
地元の伝統舞踏、はたまたチークいや、
社交ダンスの一つでも踊れたら、将来海外でオフィシャルな場面に出くわしても、さっそうとスマートにこなせるのでないかと・・・。
ましてや女子が運動着の上からとは言え、
「まわし」を締めて相撲を稽古するというのも、あまりよろしいことではないような気もします・・・。
ただ、文部科学省の通達には、もう一言触れられていて、
地域文化を鑑み、
合気道、少林寺拳法、弓道という、いわゆる「道」とつく武術ならそれを必修科目とするのも可としています。
山形は、居合道の発祥の地、せめても山形県の中学校では、木刀を使ってでも
居合を伝承するいみでも、
これを必修にして欲しいものです。
私が中国に出張の折、新規の取引先の総経理(社長)に
「あなたは伝統文化が豊富な日本から来ておられる。何かお国の伝統文化を継承しておられますか?」と聞かれ、
「なぜですか?」の問いに
「できればそういう方とお取引がしたいから」と言われたこともありました。
その後、何年かして上海の体育館で、20名ほどの中国人
の大学生相手に居合の稽古をつけてあげることにもなりました。
確かに武道やダンスも人格形成上どこでどう役立つか分かりませんが、だからと言って、危険を承知で
即座に武道、特に柔道を必修にする必要があるのかまだまだ疑問は残ります。
たぶん、教員は
怪我や父兄からの苦情を心配して、まとも
な乱取稽古などさせられず、毎回
受身と
スローモーションのワザの掛け合いや、はたまた
柔道型なんかをさせて、茶を濁すのでしょうけど・・・。
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