2012年01月04日
笑えない想定外
不動産業者の集まりなどがあると、よく警察からゲストスピーカーで来てもらい、講話をしてもらいます。
その時に決まって話題に上るのが、反社会的勢力に賃貸住宅や賃貸事務所を斡旋しないようにということと、オウム真理教特別手配犯の情報提供依頼です。
その後の懇親会では、きまって「とっくの昔に死んでるんじゃないの?」とか「整形して隣に居てもわからないんじゃないの?」とか「こんなに探しても居ないのなら海外へ逃亡してるんじゃないの?」とか門外漢の飲み話に花が咲きます。
ところが、12月31日深夜に指名手配犯の一人、平田信容疑者が自首してきたというニュースが飛び込んできました。
本人の弁では、ずっと国内に居たと言いますし、髪は長くなっていたが、指名手配写真とほとんど変わらなかったというから驚きです。
それでよくこんなに長く逃げていられたものだと不思議にさえ思います。
しかも、自首にはJRや地下鉄を使ってやって来たと言い、自首後駅に設置された防犯カメラで確認できたと言うからまたまた驚きです。
警察の講話で言っていたように「日常に埋没していて見逃してるだけで、すぐ隣に居るかもしれませんよ」というのが現実になった気がしました。
きっと、そう言っている警察自体にとっても「想定外の事態」だったのかもしれません。そりゃ、相手から堂々と公共交通機関を使って、本丸へ自首してくるなんて・・・。
でも「私が特別手配犯の平田信です」と自己申告したのに相手にされなかった平田容疑者は「なんだよ、せっかく意を決して自首して来たに、これかかよ!!指名手配なんて、こんなもんなの?テレビドラマとは随分違うじゃねぇか・・・」と思ったことでしょう。
警察のフリーダイヤルに電話したが、いくらかけても話中で出なかったとか、110番して担当部署は本警視庁ですとたらい回しにされたりと散々だったと述べています。
しかも、本庁警備の応対した機動隊員はご丁寧に、近くの交番か丸の内署に行くようご案内したというからお粗末。
その対応については「悪ふざけのいたずらだと思った」とか「ふくよかで指名手配写真と違って見えた」など信じられない報道がされていました。本当かどうかしりませんが「特別指名犯と知らなかった」などという報道まであります。
想定外とは言え、せめて、ことがことだけに警備本部に無線連絡するなり、指揮者の指示を仰ぐことぐらいは出来たのではないかとも思います。
本人が素直に一人でトボトボ丸の内署に行ってくれたからいいようなものの「なんだよ!そんならもういいよ」とばかりまたまた地下深く潜伏するようなことがあったら一大事でした。
もっともそうなったら、絶対に表ざたにはならなかったでしょうけどね。
ところで、同じく逃走中の菊池直子容疑者は「走る爆弾娘」というリングネームのような異名を持っていましたが、平田信容疑者は異名がなんだったのか思い出せない・・・。まあ、そんなことどうでもいいことですけどね。